カリヨンとは

(ユトレヒト・ドムタワー)

カリヨンは23個以上の鐘が半音階に配置され(2オクターブ)たもので、鐘からはワイヤーで木製の演奏鍵盤部と接続され、この鍵盤を緩く握った両拳で叩くことで、人の力で演奏をする楽器です。低音部は同じく半音階に配置されたペダルと接続され両足で鍵盤を踏むことによって鐘を鳴らせるようになっています。従って、両手両足で原則4音まで同時に音が鳴るような仕組みとなっています。以前は独立した鐘楼に設置されたもののみをカリヨンと呼んでいましたが、最近は車の後方に接続して移動することが可能な形態を持つモバイルカリヨンなども増えています。

オランダ・ベルギーなどフランドル地方を中心に16世紀から17世紀にかけて発展し、同地域では「鐘楼群」として世界遺産にも指定されています(詳しくは「カリヨン の歴史」を参照)。建物そのものが音源であり、このため、楽器としては世界最大のサイズと言えます。